2022年10月05日

旧統一教会の信者はわずか6万人というデマ。そして、選挙と宗教団体について。

(1)信者数「6万人」のデマ

ネットを見ていたら、旧統一教会(家庭連合)の信者数はたった6万人程度で、創価学会は800万人はいるので政治に対する影響力は比較にならない、ということを言っている人がいました。
6万人って。。。ジョークかと思いました。

確かに創価さんは大人数で、しかも大学や政党もあるので政治的影響力は絶大です。
しかし、家庭連合の信者が数万人しかいないというのは考えられないことです。

家庭連合には「合同結婚式」という儀式がありますが、日本で最も有名なのは1992年8月25日に韓国で開催された3万組の合同結婚式でしょう。歌手の桜田淳子さんやテッシー(勅使河原秀行氏)らが参加していました。

1992_30000.jpg
1992年8月25日、3万組合同結婚式、ソウル)

この時は3万組(カップルなので6万人)で韓国での開催でしたが、圧倒的に日本人参加者が多かったのです。
そして、あれからもう30年も経っているので、子供も増え、さらに結婚して。。。
まあ、信者数は増えることはあっても減りはしないでしょうね。

また、合同結婚式は1992年だけじゃなく、それ以前にも1982年10月14日の6000組、1988年10月30日の6500組の合同結婚式が開催されており、その後も結婚式は増えて、家族も当然どんどん増えています。

(2)宗教団体の信者数ランキング

ネット上には日本の宗教団体の信者数についての情報もあります。

【1位】幸福の科学/11000000
【2位】創価学会/8270000(世帯)
【3位】立正佼成会/3111644
【4位】顕正会/1670000
【5位】霊友会/1390248
【6位】佛所護念会教団/1240689
【7位】天理教/1209421
【8位】パーフェクトリバティー教団/934489
【9位】真如苑/909603
【10位】世界救世教/835756
【11位】崇教真光/800000
【12位】妙智會教団/654046
【13位】世界基督教統一神霊協会/600000
【14位】生長の家/586973
(以下略)

この数字の情報源は『宗教年鑑(平成25年版)』ということなので、2013年時点のランクです。

これによると、家庭連合は13位で60万人とのこと。約10年前のデータなので、まあそんなもんかなあという感じです。
私の個人的な感触では、今年(2022年)の現時点で軽く100万人は超えていると思います。

もちろん、信者といっても合同結婚式の参加を希望する熱心な信者ばかりではなく、礼拝だけ参加している人とか教会の月刊誌だけ読んでいる人とか、単に会員登録されているだけの人もいるし、いわゆる表面に出ない「隠れ信者」も大勢いることが知られています。
どこまでを信者数としてカウントするかは、宗教団体によっても基準が異なるのでしょう。

(3)6万人は活動要員か?信者の実数と選挙の有権者数は?

では、ネットで流れる「6万人」というのは一体何の人数なのか?
私が思うに、この数字はいわゆる「活動要員」(動員したらすぐに動けるメンバー)のことではないかと思います。

一例をあげると、1995年9月14日に統一教会系の国連NGO(世界平和女性連合=WFWP)がアメリカのジョージ・ブッシュ元大統領夫妻を迎えて東京ドームで大会を開催したことがあります。
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WFWP=世界平和女性連合・創立3周年記念大会、東京ドーム(写真はブッシュ夫妻と韓鶴子=ハン・ハクジャ総裁)

その時、私にも動員がかかったので大会に参加しましたが、実際に見たところ東京ドームは満席で立ち見も出ていましたので、おそらく5万〜6万人ぐらいは参加していたと思います。
つまり、例の「6万人」というのは大会とか選挙などで一定数の要員が求められる時に、すぐに集合できる信者の数ということではないでしょうか。

(※念のため誤解のないように付言しますが、「動員」といっても家庭連合の場合は強制的な意味はなく「参加できる人はできるだけ参加して下さい」というスタンスで、雰囲気的にはゆるゆるの感じなんです。そういうレベルで、何かのイベントがあったらすぐに動ける人員が約5〜6万人ぐらいではないか、ということです)

とにかく家庭連合の信者数は、私の感覚では(活発か不活発かは別として)100万人ぐらい存在していて、そのうち選挙で投票権を持つ人は7割ぐらいと考えれば、70万人(票)以上の投票数はあると想定してよいのではないでしょうか。

ところで選挙の時、ほとんどの家庭連合のメンバーは保守系議員に投票します。特に国防に熱心であったりスパイ防止法等の法案を推進してくれる議員や、信教の自由を尊重する議員に投票します。
したがって、必然的に自民党に投票する人が多かったのです。しかも、周辺の人たちにも電話で熱心に投票を勧めたりします。

ところが、このたび自民党は「旧統一教会とは一切の関わりを持たない」という、憲法が保障する信教の自由を完全に無視する方針を打ち出しましたので、おそらく今後は家庭連合の信者で自民党に投票する人が激減することは間違いないでしょう。

それは当然で、仕方のないことです。なぜなら、国民から投票で選ばれて税金で生活する治家の言葉としては、「お前とは一切の利害関係を持ちたくない」という意味は、「俺には絶対に投票してくれるな」と同義語ですから。
まさか「お前とは絶対に関わりたくないが、投票だけは俺にしてくれよ」なんていう虫のいい馬鹿なことを言う政治家はいないでしょう。

まあ自民党にしてみれば、全国で家庭連合が保有する数十万程度の自民党票を失ってしまうリスクよりも、世間で評判の悪い団体との関係を断つ宣言をして好感度を上げるメリット(宣伝効果)のほうがはるかに大きいと判断したのでしょう。

それも一つの考えです。しかし、その考えが吉と出るか凶と出るか、判断はなかなか難しい所でしょう。旧統一教会を反社会的だと非難する人々の大半は左翼系に限られますし、家庭連合の理念や活動を高く評価する人々も昔から根強く存在しています。

(4)自民党は憲法違反の「魔女狩り政党」・・・門田隆将氏が斬る

ここで、「月刊hanada」(2022年11月号)に門田隆将氏の大変面白い論説がありましたので、引用します。
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「“魔女狩り”政党、自民党」
そんなバカな・・・。自民党の茂木敏充幹事長が9月8日に発表した旧統一教会関連調査ほど呆れたものはない。
(中略)
今後は(旧統一教会と)一切関係を持たない。党方針に従えない議員はいないと確信しているが、いた場合は同じ党では行動できない
そう言ってのけたのである。はぁ?この宣言に驚愕の声を上げない自民党議員は、さっさとバッジを外して永田町から去ったほうがいい。なぜなら、これは長い伝統を誇る自由民主党が憲法違反の“魔女狩り政党”へと堕ちた瞬間だったからだ。
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「月刊hanada」2022年11月号、24-25頁「現場をゆく 門田隆将」
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門田氏は、安倍元首相が暗殺された原因があたかも旧統一教会にあったかのように報じるワイドショー等の印象操作に自民党が踊らされ、結局は旧統一教会と安倍派にダメージを与えたかった山上徹也容疑者の希望通りに現状が進んでいることから、「暗殺犯の掌(てのひら)の上で踊るような政党は、さっさと解散するのが筋だろう。」(同書、25頁)と結んでおられます。

私はこれほど胸のすく、強烈なパンチのある論説と出会ったのは本当に久しぶりだと感じました。
自民党に対する考え、いやそれ以上に選挙というものに対する考え方を根本から改めさせられるような気持ちにさせられます。

自民党がダメだといっても、現在の野党も「アベガー」「旧統一ガー」の一点張りでほとんど何の政策提案もなく、反対のための反対をしているだけです。

そんな状況で、有権者はどのように判断すべきなのか?単に政党で投票を決めるのではなく、よくよく候補者一人一人の価値観や安全保障に対する考え方などを見極めることが大切な時代であることを痛感します。
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posted by むちゅう(江本武忠) at 01:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ネット情報への感想

2022年08月20日

旧統一教会の「名称変更」と、いわゆる「政治の力」

テレビでは、旧統一教会が教団の名称を変更したことが何か大きな「問題」でもあったかのような報道をしています。

もしも仮に何か問題があったとすれば、教会側が名称変更を申請しても、官公庁がなかなか受理してくれなかったことこそが問題だったと私は思うのですが、テレビなどの報道では全く逆に、受理したことに大きな問題(政治的な圧力?)があったのではないか、という奇妙な話になっています。

この問題(基本的には問題なく受理されているのですが)について、めずらしくテレビ番組で(たぶん最も早い段階で)正当な法律論を述べてくれた弁護士がいました。それは元大阪府知事の橋下徹弁護士でした(私の記憶では8月5日の「ゴゴスマ」だったと思います)。

橋下弁護士は、団体の名称変更については手続き上の不備がない限り行政的には受理しなければならない、つまり特別に法的な理由がないのに受理しなかったとすれば、受理しない国の側が法律違反になる。
だから前川喜平・元文部科学事務次官が言うような、「名称変更を受理したのは下村博文大臣らによる“政治的な力”が働いて受理された」という見解は誤りだ、と言われたのです。

お断りしておきますが、橋下徹弁護士と旧統一教会とは何の関係もありません。あくまでも橋下弁護士は法律論として当たり前のことを述べただけのことでした。教会を擁護するというような、マスコミが好む「敵味方」を別ける考えでないことは明らかでした。

ところが司会者の石井亮次氏は、旧統一教会の側に味方するような橋下弁護士の発言に当惑し、オロオロしてしまいました。
それに対して橋下弁護士も「(番組が描いた筋書きと違うことを言って)ごめんなさいね」と謝っていたのが私には印象的でした。そこにテレビ業界で守るべき“掟”(不文律)があるように思えたからです。

この名称変更の件について、橋下弁護士と同じように客観的な立場から正当な(というか当たり前の、ごく当然の)法律的な考えに基づく意見を述べているユーチューブのチャンネルがあったので、紹介しておきたいと思います。

宮脇睦(みやわき・あきら)さんという方のチャンネルで、“「政治の力」の真実は文部科学省の役人の違法状態。前川喜平「名称変更陰謀論」を完全論破。八代英輝「むしろイレギュラー」”というタイトルの動画です。(ここでもお断りしておきますが、宮脇睦という方は旧統一教会と何の関係もない人です)

miyawaki01.jpg
みやわきチャンネル
「政治の力」の真実は文部科学省の役人の違法状態。前川喜平「名称変更陰謀論」を完全論破。八代英輝「むしろイレギュラー」

宮脇氏によると、旧統一教会が名称変更すると「被害」が大きくなるからダメなのだという論理についても、客観的な統計上から考えると間違っているという。まあそうでしょうなあ。そもそも左翼作成の「被害」数も、必死に盛りに盛った数字ですし。笑

旧統一教会の名称変更については、かなり以前から方針が決まっていたことでした(=かなり以前から変更されるはずだったものでした)。
統一教会の正式名称は「世界基督教統一神霊協会」で、キリスト教を中心に世界を統一するようなイメージだったのですが、世界宣教がすすむにつれてキリスト教だけでなくイスラム教やヒンズー教の指導者らも多数参加するようになったのです。なので、「家庭連合」(世界平和統一家庭連合)への名称の変更には、そのような現実に即した根拠があったのです。

ご参考までに、旧統一教会(現在は「家庭連合」)がキリスト教だけでなく、いかにイスラム教やヒンズー教の指導者たちの支持を得ているかについては、例えば先日のUPF(天宙平和連合=国連NGO)の大会に参加している方々を見ていただくだけでもおわかりいただけると思います。

参考:下のサイトにある「2021.4.4 天の父母様聖会・平和祝祭」の部分をご覧ください。
UPF(天宙平和連合)主催大会、要人スピーチ

posted by むちゅう(江本武忠) at 15:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ネット情報への感想