テレビやYouTubeなどで活躍される北村晴男弁護士は、政治資金キックバックの件をめぐって岸田首相が安倍派だけを切り捨てるような処置をしていることについて、ご自身のチャンネルで強い苦言を呈しました。
また、安倍元首相が暗殺された直後から統一教会と関係のあった政治家が糾弾されるようになり、岸田首相は旧統一教会および関連団体と一切の関わりを断つという方針を出しましたが、この岸田首相の行動についても北村弁護士は強く批判しておられます。
▲デイリースポーツ(2023.12.19)より
北村弁護士は次のように述べています。
「(安倍元首相が暗殺された後)私が岸田首相の行動を見てて思ったのは、(中略)安倍派の影響力を削ぐことができる、あわよくば安倍派を消滅させてしまって自分のところで相当数取り込むことができる、安倍派の弱体化ができると勘違いして、統一教会と関係のあった政治家はけしからんみたいな言動がありましたよね。この時私はびっくりしたんですよね。『頭おかしいんじゃないか、コイツ』と。(中略)宗教団体に顔を出したからけしからんって、とんでもない話だと。頭おかしいんじゃないかと思いました。この頭のおかしい判断を岸田さんがしたのは、安倍派を弱体化して自分の政権基盤を固めるという勘違いに基づいたんじゃないかというふうに見えましたね」(北村晴男チャンネル「安倍派政治資金キックバックを裏金化 岸田首相の判断」)
私は北村弁護士のご意見に完全に同意します。
岸田首相の頭がおかしいかどうかは別として、旧統一教会(家庭連合)は政府から宗教法人として公式に認可されていますから、行政の長たる総理大臣が政府の認可団体に対して「一切の関係を断つ」とか、団体に顔を出しただけでけしからんなどと言うのはまさに「とんでもない話」です。
これは他の諸団体でも同様であり、今まさに犯罪がなされていることが明らかに認められる団体とか暴力団でもない限り、政府が法的根拠なく特定団体を排除することは不当です。法治国家として、岸田首相の言動は異常と言わねばなりません。
北村弁護士は旧統一教会を擁護する意図など全くなく、ごく当たり前のことを当たり前に述べているだけです。むしろ、岸田首相の異常な判断についてほとんど全ての国会議員や弁護士たちが異論を唱えない状況のほうが非常に奇妙なことだと思います。
日弁連が左翼体質であることはよく知られていますが、長年にわたってスパイ防止法制定運動を積極的に展開したりジェンダーフリー・LGBT法に一貫して強烈に反対してきた旧統一教会や勝共連合と真っ向から対立する左翼弁護士らによって構成される「全国弁連」の勢力に、政権そのものが吞み込まれたということなのでしょうか。
ところで岸田首相の態度とは全く対照的に、鳥取県米子市の伊木隆司市長は旧統一教会関連の集会に来賓として参加したことについて「思想信条がどうであろうと市民であれば話も聞く」と述べ、何ら問題がないとの考えを示しましたが、北村弁護士はこの伊木市長の姿勢を正しいものと評価しています。
伊木市長もまた、旧統一教会を擁護する意図など全くなく、有権者から選ばれた市長としてごく当たり前のことをメディアの論調に左右されずに堂々と語ったにすぎないのでしょう(「伊木隆司・米子市長の人権感覚は、国際標準のものとして評価しうる」参照)。