(1)世界平和女性連合が外務大臣から表彰
国連NGOである「世界平和女性連合(WFWP)」で、派遣員としてモザンビークで約25年にわたって現地の教育普及活動をしてきた宝山晶子さんに対して2019年7月23日、当時の河野太郎外務大臣が表彰状(令和元年度外務大臣表彰)を授与しました。
(参考:WFWPブログ 2020年6月8日)
(▼世界平和女性連合、ツイッターより)
(2)世界平和女性連合の活動は、世界的に評価されている
世界平和女性連合は、世界各地で活発な平和活動を展開していますが、モザンビークでは中学・高校を設立し、現地の教育環境を整えていきました。
宝山晶子さんは1994年から、モザンビークの派遣員として教育活動に専念してきました。悲惨な内戦後の荒廃した状況から、貧困など多くの困難を乗り越えながら青少年の育成に努め、ようやく2001年に高校を設立することができ、次第に優秀な学生たちが育っていきました。
モザンビークは他のアフリカの地域と同じく治安が非常に悪く、宝山さんによると自宅で強盗に襲われた経験が4回もあり、手足を縛られた上にさるぐつわをかまされ、顔面を何度もなぐられたこともあったそうです。「いまこうして生きているのが不思議なほどです」と言われるほど、命がけの活動だったのです。
(参考:WFWPブログ、2014年12月1日)
このように海外で日本人が平和活動・教育活動に貢献することは、日本人の誇りであると思います。
しかし、今の日本では国連NGO「WFWP」に関わった政治家は非難されるという、とんでもない状態です。
旧統一教会との関連団体であることが問題視されているようですが、旧統一教会の関連団体が平和活動をしてはいけないのでしょうか?日本人の平和活動に対して表彰状を与えた河野元外相は、非難されるべきなのでしょうか?
もしそのような非難の意見を主張するのなら、日本は法治国家ですから、その主張の確たる法的根拠を示すべきでしょう。
資金の流れが問題だという人もいますが、そう言うのならば、その資金の流れを詳細に立証して違法性を指摘することが先決ではないでしょうか(現状、特に違法性はないと私は考えていますが)。
(3)平和統一連合は、日韓問題解決の道となりうる
それから、もう一つ河野太郎氏に関連する話題ですが、2004年7月4日に「平和統一連合」の創設大会が東京全日空ホテルで開催された時、この大会に河野太郎氏が祝辞を送ったことが「問題視」されています。
(▲世界日報2004年7月5日、「平和統一連合」創設大会)
「平和統一連合」は、分断された朝鮮半島の平和統一を推進する目的で創設された団体です。この団体について、ちょっと解説します。
南北に家族が分断されたまま会うこともできない朝鮮半島の状態が続く中、日本では「朝鮮総連」(北朝鮮)と「民団」(韓国)という二つの組織が共存している環境にあるため、理屈としては(物理的には)南北両者が自由に話し合うことも可能ではあるわけです。
そこで、そういう環境を活かすことで、分断された両国民・両国家が対話を深めていく道はないかと追求しているのです。
日本は北朝鮮による拉致問題などを抱えていますが、安倍元首相の努力は非常に大きかったものの、その後は時間ばかりが経過して一向に前進が見られないのが現状です。
「平和統一連合」における対話において日本が主導権を持つことによって、何らかの形で北朝鮮の共産主義独裁体制を崩壊させ、南北統一の平和構築に貢献するヒントも得られるのではないでしょうか。
河野さんが祝辞を送ったのはけしからん、などという低レベルの不毛な議論には何の価値もないと思います。
また、「自称慰安婦」「自称徴用工」「レーダー照射事件」「旭日旗」「竹島問題」等々の韓国による理不尽きわまりない行動からみて、いわゆる「嫌韓派」の方々の意見もよくわかるのですが、単に「断交しよう」という結論を急ぐのも賢明ではないと思います。
時間はかかっても、可能性のある所から地道に前進を模索し続けることが大事ではないでしょうか。