文鮮明師は、1990年4月10日から13日にかけてモスクワで第11回世界言論人大会を開催し、4月11日には当時のゴルバチョフ大統領と会談をして新聞等でも報じられたので、ご存知の方もいるでしょう(「第11回世界言論人会議」)。
(文鮮明・韓鶴子夫妻とゴルバチョフ大統領)
世界言論人大会では、当時のソ連をはじめ世界各国からマスメディア関係者が多数参加しました。
日本から参加した人物としては、元NHK報道局長の磯村尚徳氏(当時はNHK放送総局特別主幹)、谷藤正三元北海道開発庁事務次官、松本十郎前防衛庁長官(当時の安倍元自民党幹事長の代理)ら数名がいました。
(下段右が磯村尚徳・NHK放送総局特別主幹)
NHKの磯村尚徳氏といえば、「ちょっとキザですが」というフレーズで有名なNHKのニュースキャスターだった方で、お茶の間の「NHKの顔」ともいうべき存在でした。
この会議では、4月10日にソ連のアルベルト・ウラソフ・ノーボスチ通信社長の挨拶と文鮮明師の基調講演のあと、磯村氏がスピーカーを務めています。
(▲磯村尚徳・NHK放送総局特別主幹=当時)
(▲磯村氏と同じ第1分科会でスピーチした有識者たち)
(※資料によると、日本からの参加者は上記の方々だけでなく、高橋祥起・NHK解説委員、平田明隆・読売新聞編集委員、熊坂隆光・産経新聞政治部次長、和田正光・テレビ東京解説委員、岩佐陽一郎・週刊新潮編集次長、細川隆一郎・政治評論家、今井久夫・日本評論家協会理事長、勝田吉太郎・京大教授、西村文夫・静岡県立大教授、伍堂輝雄・元日本航空会長、岩澤正二・マツダ相談役等多数がおられたようです)
大きく国家全体が変貌を遂げようとしていた当時のソ連に、世界のメディア関係者が一堂に集まって議論する場となった文鮮明師主催の会議は、歴史的にも重要な役割を果たしたといえます。
NHKはそのことを十分に認識していたからこそ、NHK報道の中核を担っていた磯村氏を参加させたのではないでしょうか。また、統一教会には本来NHKをはじめとするテレビ等の報道機関が真剣に扱ってしかるべき非常に深刻な人権侵害の問題を抱えています。
実は、統一教会の信者が左翼グループ等に拉致・監禁され、強制的に改宗を迫られるという事件が多発しているのです(「絶対に許されざる拉致監禁・強制改宗」参照)。
新体操の山崎浩子さんが統一教会の合同結婚式に参加した直後に失踪した事件がありましたが、あの事件も典型的な強制改宗のパターンで、当時の「週刊朝日」(1993.3.26)も「山崎浩子の失踪で明らかになった統一教会vs改宗グループの暗闘」というタイトルで問題を報じていました(「山崎浩子・失踪事件」参照)。
統一教会信者に対する拉致監禁事件については、元内閣法制局長官の林修三弁護士らも問題視しており、元NHK国際局のニュース解説担当だった入江通雅氏(青山学院大名誉教授)も人権侵害であると指摘していました(「吉村正氏の監禁事件」参照)。
このように、NHKは文鮮明師が世界で展開している統一運動や、日本で起きている統一教会信者に対する拉致監禁・強制改宗事件について知らないはずはなく、むしろかなり豊富な情報を得ているといえるでしょう。
しかし、これほど深刻な人権侵害の事件が起きているのに、どうして報道しないのでしょうか?
アメリカの国務省では、統一教会信者への拉致問題について1999年ごろから「統一教会信者に対する拉致監禁を日本の警察が取り締まらないのは人権侵害である」と指摘しています。
日本は欧米に比べると、個人の人権問題(特に信教の自由など)に対する感覚が薄いことはまぎれもない事実でしょう。
ところで、「NHKをぶっこわす!」で有名な立花孝志氏(NHK党党首、元NHK職員)は、2022年6月16日のニュース番組「報道ステーション」(テレビ朝日系)で「テレビは国民を洗脳する装置です」と指摘しました。ところが、司会者から発言を遮られる形となり、結局その場から退場するという事件がありました。
たしかにテレビが国民の世論や感情に与える影響は非常に大きく、国会議員や現職の首相でさえ報道内容(特にワイドショーのコメンテーターの発言など)にビクビク怯えている状態だといえます。
政治家は世論から嫌われると次の選挙で落ちる心配が生じるからです。そこには個人の信教・思想信条の自由などの人権を尊重するという感覚は存在しません。
テレビは視聴率が最優先です。視聴率こそ神なのです。本質をそらして面白おかしく報道し、映像なども自由勝手に「切り取り」編集をして国民感情をあおり、国民を洗脳します。まさに、テレビは国民を洗脳する装置なのかもしれません。
安倍元首相暗殺後のマスコミの偏った報道に関して、思ったことがあったので拙稿をしたためました。
信者さんにも読んでいただきたく思い、僭越ながらご連絡いたしました。
よろしくおhttp://movingcreation.com/anti_cult_cultism/願いいたします
「反カルトのカルト性」について、興味深く読ませていただきました。
バッシングにはずいぶん慣れている我々も、全ての国会議員が反統一教会に走り、少しの疑問の声も許さない雰囲気になっている今の状況は、恐ろしくも感じられます。
教団がつぶれる恐ろしさではなく、法治国家であるはずの日本が変な方向に走っている恐ろしさです。
橋下弁護士などは「名称変更」とか「カルト法」について、ごく普通の法律家として当然の意見を述べているにすぎないと思うのですが、「お前は統一教会を擁護する気か!」というヒステリックな批判を浴びて、大変気の毒だと思います。
ごく普通のことを言うだけでも大変な勇気が必要となるという、おかしな国になっています。
米本さんは統一教会信者の拉致、強制改宗問題を取り扱って下さった勇気ある方ですが、今回の事件では「反統一教会」の側に分類され、うまく利用されてしまったのですね。
拉致監禁については、左翼弁護士たちの間でも異論があるようで、山口・紀藤らの弁護士グループの仲間だった弁護士(I氏)などは拉致監禁は人権侵害じゃないかということで対立し、グループから離脱したとも言われています。なので、中には多少の人権感覚を持っている弁護士もいるのかもしれません。
「反カルトのカルト性」について、韓国に似ているとの意見、全く同感です。笑
要するに、今の状態にはケチをつける材料が見当たらないので、昔あった問題を「今まさに起きている危機」であるかのように大げさに騒ぎまくって、絶対的な優位に立とうとしているだけでしょう(慰安婦の婆さん自体が嘘だと私は思っていますが)。
今回の事件について言えば、山上容疑者が恨みを抱いたのは20年ぐらい前のことです。仮に当時の教会に違法性があったと仮定しても(それも立証は困難だと思うし、時効の問題もあると思うのですが)、それをそのまま「今の教会が悪い、つぶさなきゃいかん」という強引な結論にもっていく非論理的主張が反統一教会の人々(およびメディア)の考えです。
私は法律には詳しくないですが、近代法には「罪刑法定主義」という法理があって、現在の事案についてはただ現行法を適用すればいいだけのことだと思います(もちろん何か違法なことがあれば、という話ですが)。
なので、新しい法律を作って統一教会をつぶそう、というのは全く前近代的な恐るべき発想でしょう。
また、昔トラブルを起こした団体なのだから、現在の統一教会に少しでも関係する団体とは一切の関係を断て、という指令がまかり通る今の国会議員の考えも同じく、実に恐ろしい差別思想だと思います。どことなく出自差別にも似ている気がします。
こういうのを「人権侵害じゃないの?」とハッキリ言えない日本の弁護士業界って。。。どうなんでしょうなあ。
ともかく、貴重なコメントありがとうございました。大いに参考になりました。